妊娠中に注意したいカンジダ
妊娠中はカンジダになりやすい!?
妊娠中にカンジダを繰り返し発症する妊婦の人は多いと言われています。
それは妊娠中の母体の状態が、カンジダにとって非常に繁殖しやすい要因の揃った環境になっている為です。
妊娠中にカンジダが発症する要因として以下が挙げられます。
- おりものの増加
- ホルモンバランスの変化
- つわりにやストレスによる体力の低下
- 範囲の広いショーツを着ける事で蒸れやすい
- 汗をかきやすい
妊娠による疲れやストレスは、免疫力の低下を招き、カンジダの発症率を高める事に繋がります。
また、最も大きな要因になるのが"おりものの増加"です。
妊娠中のおりものの増加が膣カンジダの大きな要因です。
普段、膣内は殺菌効果のある『酸性』に保たれており、それにより雑菌の繁殖を防いでいます。
妊娠によっておりものの量が増えると、膣内は『酸性』から『アルカリ性』へと変化してしまいます。
アルカリ性の状態では、もともとあった殺菌効果が働かず、簡単にカンジダが繁殖してしまうのです。
妊娠中のカンジダが胎児に与える影響
妊娠初期や妊娠中期のカンジダは問題ありません。
妊娠初期~中期はつわりが見られる事も多く、よりカンジダを発症しやすい状況です。
ですが、妊娠初期や中期に膣カンジダになってしまっても、赤ちゃんは子宮で守られているため母子感染する事はありません。
カンジダはしっかりと治療すれば、早急に完治させる事ができるので出産までにカンジダの症状を鎮められれば何の問題もありません。
危険なのは、出産までにカンジダが完治しない可能性のある妊娠後期からです。
妊娠後期のカンジダは母子感染の危険があります。
母体が分娩時にカンジダを発症していると、胎児が産道感染をしてしまう可能性があります。
胎児がカンジダに感染すると、生後7〜10日頃に鵞口瘡(がこうそう)や皮膚炎をおこしてしまいます。
鵞口瘡は、口腔鵞口瘡(こうこうがこうそう)とも呼ばれており、舌にびっしりと白いカビが生えます。
また、皮膚炎は赤ちゃんの薄くて柔らかい皮膚に炎症を起こしてしまいます。
通常であれば、これらの症状により胎児の命が危険に晒される事はほとんどありません。
ですが、1,500グラム未満の早産未熟児では感染症に対する抵抗力がないためカンジダによる重篤な全身感染症になることがあると言われています。
カンジダ発症時の分娩による母子感染の確率は約10%程と決して高くない数値ですが、油断は大敵です。
大切なのは、妊娠時にカンジダの発症に気づいたら、一刻も早く治療する事です。